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中谷 聡 展 

 中谷聡氏にとって、石との出逢いが創作の全てであり、その石の美しさをそのままに、石に内包される時間を永遠に封じ込めたいという思いが制作意欲へと繋がっています。内包される時間の探求は、同時に石の内部への興味へと氏を導き、氏は原石を二つの石に分離し、それぞれを削岩機でカプセル状に掘削する事で内部の空間の存在を彫刻に生み出しました。

凹凸の関係であるそれらは、外側は現実を、そして内側には作家の意思と費やした過去の時間の集積が、それぞれの形として提示されます。その結果、取り巻く空間に新たな緊張感が生まれ、石自身が全く別の存在になると氏は語ります。この体験と感覚は石材を用いた立体表現における自己の存在の覚知でもあり、自らが素材に浸透していく行為によって立体表現に新たな空間の一端を認識のすることができたと氏は語ります。それが中谷氏の代表作品とも言える「時のカプセル」シリーズの始まりです。

 今展覧会では同シリーズの旧作から小品の新作を発表いたします。

 

 

いりや画廊代表 中村 茂幸

 

 

 

中谷 聡

 

1959 長野県生まれ

1981 信州大学教育学部美術科卒業

1986 日中友好美術展(中国河北省展覧館)

2001   国民文化祭・ぐんま2001彫刻展

2003 第67回新制作展 ・新作家賞

2004   第43回北陸中日美術展

2005   第17回富嶽ビエンナーレ展・大賞

2009 愛知県立芸術大学大学院入学

   第73回新制作展 ・新作家賞

2010 京展

2011 愛知県立芸術大学大学院修了・修了制作買い上げ賞

   新制作協会会員

2016・4より松本県ヶ丘 高等学校教諭(美術)に赴任する。

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