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​フロリアン クラール展

 フロリアン クラール氏は、日本や出身国であるドイツをはじめとする世界各国で活躍を続けています。日本では、東京ミッドタウンや名古屋モード学園など、数々の大型パブリックアートを手がけ、そして、この秋、話題の企画展「THE MIRROR GINZA」における出展作家の一人です。

 

 現在、上記の展覧会と、カナダのKamloops Art Centreで発表している “The Wanderer”。この映像のシリーズ作品はそれぞれの展覧会において、わずかな違いがみられます。今回は映像とともに、オブジェクト、写真、ドローイングなどが展示されます。これらは観客が映像の背後にある作家の考えに、より接近して観られることを可能にします。

 そしてそこには、ロケーションと音楽の間の強い関係性が存在しています。ある作曲家たち(特に19世紀末から20世紀前半における)は、山や谷、風景、街をさまよい、そこから音の尺とリズムを導き出しました。(例えばグスタフ・マーラーの交響曲第3番「野原の花々が私に語ること」「夜が私に語ること」など)クラール氏は語ります。「私は好んで音楽を聞きながら街や風景を歩いている中で、だいぶ以前から気付いたことがあります。それはごく偶然に、歩いた場所と曲とが、不可分の繋がりを形成する場合があるということ。もし30年後にその音楽を聞いたとしても、その時の場所、それを取り巻く状況、匂いなどまでもが、はっきりと思い起こすことができるのです。」このように“The Wanderer”シリーズの中で使われた音と場所は、お互いがすべて強く結びついています。

 加えて、1982年の映画「ポルターガイスト」の最後の10分間のシーンに基づき、映像の視点だけは異なる位置を用いて流れを追った“Simi-Valley”など、虚構と現実のロケーションを使ったインスタレーションを展示します。

 映像、音、インスタレーションと多様な表現を媒体とするフロリアン クラール氏独特の解釈により作られた空間。私たちを異空の世界へ導き、新たな記憶として心にきざまれるのではないでしょうか。

                         

いりや画廊代表 中村 茂幸

 

 

フロリアン クラール

 

1968        ドイツ、シュトゥットガルト生まれ

1987 - 1994 国立シュトゥットガルト美術大学、同大学院彫刻科修了

2001 - 2002 武蔵野美術大学彫刻科非常勤講師

2002 - 2005 カルフォルニア州立大学ロングビーチ校 

       彫刻科/メディアアート科 助教授

2008 - 2011 多摩美術大学彫刻科非常勤講師

 

 

主な個展

 

2000/01 /02 

     "Feierlich und sehr langsam" レントケンクンストラウム(東京)

2001 "Solaris" アルティアム(福岡)

2006“Solaris - Second Chamber” ウァイスフェルド(東京)

2007“The Micro-cosmos of Florian Claar” 青森県立美術館(青森)

2008“The Vessel-Project Part I - The Flying Dutchman"(横浜)

2008“The Vessel-Project Part III - Nostromo” 

      武蔵野美術大学 (東京)

2009“Apollo” エルメス銀座店 (東京)

2010“Frankenstein und Gustav Mahler” OAG(東京)

2011“Behind the Stage” 大安区アートギャラリー (台北)

2013“3 Short Operas” いりや画廊(東京)

 

 

主なパブリックアート

 

2001  チャンウォン近代美術館(チャンウォン/韓国)

2002  西武文理大学(川越/埼玉)

2003  ミューザ川崎(川崎)

2004  金沢21世紀美術館(金沢)

2005  いわて県民情報交換センター(盛岡)

2006  東京ミッドタウン(六本木/東京)

2007  ベネッセ本社(多摩/東京)

2008  名古屋モード学園(名古屋)

2008  ロサンゼルス港 アヴァロンコリドープロジェクト(アメリカ)

2009  ノボテル台湾桃園国際空港 (台北)

2010  大安森林公園プロジェクト (台北)

2011  杭州水路構想プロジェクト (杭州/中国)

2012  MRT 台湾桃園国際空港駅 (台北)

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