美術家 宮島義清氏は一年のうちの数ヶ月は、北海道の酪農地帯、標津郡中標津町で木彫家として創作活動を行っています。山からの流木、やむを得ず伐採された様々な木材を大地の恵として受け入れ、そして制作することは、厳しい自然との共存を模索する氏の志です。
前回のいりや画廊での個展ではニレを使用した作品が中心でしたが、今回はニレに加え、クルミ、カラマツに向き合うことになりました。それぞれの木々にはそれぞれの性質がありますが、同種でありながらも大地の恵や自然環境の違いにより、一本一本各々の特性があります。氏は各々の特性を活かした作品作りをしようと臨んだ結果、様々な作品が生まれました。それはまさに自然環境に培われた「森の多様性」に影響・感化され、そして制作された「森の多様性」を表現した作品であると宮島氏は考えます。
「MOAN」とは、氏が滞在している標津郡中標津町近くの景勝地、その独特な形から日本のエアーズロックとも呼ばれているモアン山のことで、宮島氏は道東の自然の象徴であるとの考えから今展覧会の題名として使われました。
今展覧会では宮島氏が道東で近年制作した新作を中心とした作品の数々を展示いたします。皆様のお越しを心よりお待ちしております。
いりや画廊学芸員 園浦
宮島義清
東京芸術大学彫刻科卒業、同大学院美術教育専攻終了
日本芸術メダル協会会員
<主な個展>
1992 コバヤシ画廊/東京(94,95,99)
1997 ギャラリー52・東京飯田橋(02)
2001 イズミヤ・アートスペース/千葉
2004 ミミール・アートスペース/長野
2004 ギャラリー GAN/東京
2005 ポルトリブレ/東京
2005 ギャラリー倉庫/北海道(06,07)
2010 東一条ギャラリー/北海道
2010 オモンマテント/茨城
2015 いりや画廊/東京
2015 オモンマテント/茨城
2016 ギャラリー倉庫/北海道
2016 ミミール・アートスペース/長野
その他、グループ展多数)
<パブリックコレクション・常設展示など>
「女」 (ブロンズ)1998 北海道標津町
「抉り出された形No.5」(木彫)2003北海道標津町
「ニケ No.1」(木彫)2006北海道標津町
「連続する世界」(牧草ロール、木) 2009(4月~10月)~ギャラリー倉庫・常設展示/北海道
「大地を歩く人」(鉄)2013 北根室ランチウェイ開通記念/北海道
「MOAN」(木・ガラスなど) 2016北海道中標津
「始まりの世界」(御影石・枕木など)2017 北海道中標津