- 生成と消滅、連鎖 -
 高草木裕子は命をテーマとした連鎖、生成と消滅(自然)をトレーシングペーパーや透明シートに張った不織布にダイナミックに描いています。多角形を連ねていくことで有機的で、ゆらぎのある形象が画面いっぱいに広がります。能動的な「つくる」から、必然的に現れる自然の形を描くことで、その連鎖する環境の中に小さな自己を確認したいと氏は語ります。

 透光性の高いトレーシングペーパーに描かれた形は、表から当てた光によって色を確認することができます。しかし、裏から当てると絵の具の重なりが物質に還元され影となり、色そのものの存在価値が大きく失われます。線描の密集具合によって起きるトレーシングペーバーの隆起も表や裏からの光の効果を受けることで平面作品を立体化へ導き、その効果は「絵画」という分野から離れ、絵そのものを物質として捉えるようになります。
 また、不織布は、多少の風雨に耐えられる素材であり、トレーシングペーパーより透光性は高く特有の美しさを備えた布とも言えます。その軽さとしなやかさで風に揺れる様も心地よく、それらの美しさをより一層極めるためにも、今展覧会での作品は面の彩色を控え多角形による線の線描のみの表現となりました。
 限りある命をあえて連鎖として視覚化することは、同時に生成と消滅という時間を作品の要素として加える作業でもあります。一昨年に続き二度目となる弊画廊での個展です。新作を中心とした大作の数々を発表致します。皆様のお越しを心よりお待ちしております。

 

 

いりや画廊学芸員 園浦眞佐子

 

高草木 裕子
主な展覧会
1991 現代日本美術展(東京都美術館、東京)
2002 Peace & Harmony(New York, USA/東京)
2005 西湖芸術博覧会(浙江省世界貿易中心、杭州、中国)
2007 21st century Japanese Art (Royal Exhibition Building, Melbourne、オーストラリア)
2008 Festival d'art Franco-Japonais, Blois, France
2009 いのちを見つめる(ノース・ギャラリー、埼玉、-'13)
2013 どこかでお会いしましたね(うらわ美術館他、埼玉、-'18)
2015 アートアイランズTOKYO 国際現代美術展(大島、新島、東京、-'17))
2016 国土海洋環境国際美術大展(ソウル市立慶熙宮美術館、韓国)
   かがわ・山なみ芸術祭(旧琴南中学校、香川)
2017 日本現代アートとの対話(中国文化センター、東京)
2018 公共空間と美術-埼玉会館エスプラナード展(埼玉会館、埼玉)
その他、京二画廊(東京)、なびす画廊(東京)、Gアートギャラリー(東京)、ギャラリー宏地(東京)、

埼玉県立近代美術館、Gallery Onetwentyeight(NY, USA)、masuii R.D.R(埼玉)、Gallery青藍(東京)、

ギャラリー香文木(埼玉) 、いりや画廊(東京)等で個展

高草木 裕子 個展

2018年4月16日(月)-28日(土)

11:30-19:30(最終日-16:00)

日曜休み

レセプション 4月20日(金)