松田 文平 展 - 呼吸 -
2022年3月14日(月)から26日(土)
11時30分〜19時30分(最終日16時/日曜休廊)
石彫家 松田文平個展を開催致します。皆様のお越しをこころよりお待ちしております。
産声を上げてから息を引き取るまで100年生きたとしておよそ6億回の呼吸を繰り返すそうだ、水や食料を数日、あるいは数週間とらなくても死にやしないが呼吸を止めれば程なく死んでしまう、意識せずとも自律神経の働きで寝ていても呼吸は続く、ヨガの8段階の修行のうちの4段階目にプラナーヤーマがある、訳すと調気法だ、この業法は呼吸を意識下に置いてコントロールし、効率よく体内に気を取り込むものである、酸素や光や微粒子、更には重力など存在するものはすべて気ととらえられる、人間は生存の為に地上のエネルギーを摂取する、植物や肉などのタンパク質がそれだが植物の光合成の様に気を摂取しなければ生きてはいけません、それらを取り込むのは吸気である、肺に貯めて体内に摂取し役目を終え大気中に排出される、これが呼気である、地球温暖化はCO2の増加が主な要因ですので、このへんで私の出来る地球環境への配慮は息を止める事ぐらいしか無いように思う(笑)、このように入ってくるものと出て行くものを彫刻にすると空間を押しどける塊と空間が入り込んで浸食される塊を表現することが出来る、彫刻は字のとおり足したり削ったりである、今回の作品は具体的に肺をモチーフにしたものではないが「膨らむ」「へこむ」の連続性は見て取ることが出来る、私の作品傾向として無機質なものを具現化しようとすることが多い、今回の「呼吸」に関しては少し有機的な臭いもするが本質的には大きく変わるものではない、石の内か外かを思考する中で実は最も自分の身近にある呼吸がそれを表している事に気づかされたのである。
松田 文平
松田 文平 Bunpei Matsuda
1959年 富山県生まれ
1985年 武蔵野美術大学実技専修科油絵専修終了
1989年
ミュンヘン造形美術大学修了
(マイスターシューレ)
以後石彫刻制作をし茨城県石岡市在住
1987年~2010年
(シンポジューム)
長崎県・黒島、オーストリア・クラスタル、インド・グワリオール、グルジア、茨城県・笠間市、に参加し制作。
[個展]
1990~2021年
東京、茨城、富山、京都、にて開催
[コンクール受賞歴]
1990年 空間造形富山・大賞
2012年 鹿島彫刻コンクール・金賞
2018年 鹿島彫刻特別記念コンクール・銀賞
[継続プロジェクト]
2014年からイタリア・トスカーナ州シエナ県において巡礼の道プロジェクトを開始し
同県ポンテダルビア周辺に設置・寄贈。
2018年
活動がバチカンに届きローマ法王と謁見。