竹工作家
河野祥篁展
6月2日(月)~6月14日(土)[日曜休廊]
11時30分〜19時00分
土曜:17時30分まで
最終日の時間が変更になりました。
16時→13時30分

かつて彫刻家にあこがれていた私が「竹工芸」と出会い、自身の表現手段として竹を選んで37年程になります。
竹を素材にした作品と聞いてまずイメージされるのは花籠ではないでしょうか?茶席や和の空間で目にする機会も多いため、その印象が強いのではないかと思います。
私自身その範疇にある作品の制作もしていますが、作品の多くは米国のギャラリーに納めるための実用性を目的としない「竹」を素材にしたオブジェという位置づけの作品です。海外のコレクターの方とお会いする機会もありますが、その日本文化への興味や造詣の深さには驚かされています。
国内の公募展(主に日本伝統工芸展)に毎年出品しており、作家としての軸足は伝統工芸の分野にあるといえますが、この作品展においてはその枠を超えた作品も出品しています。「竹」を用いた作品の軽やかさや柔軟性、そして相反する堅ろうな力強さなど感じていただく機会になれば幸いです。
河野祥篁
河野祥篁という竹工芸家 (本名は川野博康)
河野祥篁とは、私にとって40年来の友人である。お互いに東京芸大の彫刻科を目指し、浪人時代を共に過ごした仲だ。もっとも、その頃の記憶といえば、飲み遊んだことばかりが思い出される。私は四浪の末に入学することができたが、彼はその後も挑戦を続けた。しかし、願いは叶わず、最終的に竹工芸の道へと進むことになった。
だが、今振り返れば、それは彼にとって大正解だったのではないかと思う。昔から根気強く、コツコツと努力を積み重ねることができる彼の性格は、竹工芸の世界に見事に適応したのだろう。浪人時代に培った「形を見て観察する力」も、竹を素材にした造形表現において大いに役立ったに違いない。
その結果、彼は竹工芸の世界で大きな成功を収め、伝統工芸展の最高賞である総裁賞をはじめ、数々の賞を受賞するに至った。そして昨年には、ついに紫綬褒章の栄誉をも手にした。友人として、これほど嬉しいことはない。彼の努力が認められ、竹工芸という世界で輝きを放ち続けていることを、心から誇りに思う。
株式会社ビーファクトリー 代表取締役 中村茂幸
河野祥篁(博康) SHOUKOU KAWANO
[略歴]
昭和三二年
- 大分県大分市に生まれる
昭和五一年
- 大分県立芸術短期大学付属緑丘高等学校美術科卒業
平成 三 年
- 森上仁氏、渡辺竹清氏に師事
平成 八 年
- 淡交ビエンナーレ茶道美術工芸展に花入れ「豊沃」入選
(平成十年、同工芸展に炭斗「叶和」入選)
平成 九 年
- 第四四回日本伝統工芸展に花籠「秋の稜線」初入選
平成十四年
- 第二回コッツェン・バンブー賞にてグランプリ受賞
平成十五年
- 米国 SOFAシカゴで二人展
平成十六年
- 米国 SOFAニューヨークで二人展
- 日本工芸会正会員に認定される
平成十七年
- 経済産業大臣認定
- 別府竹細工伝統工芸士となる
平成二十年
- SADO専門学校 伝統文化学科講師に着任
平成二一年
- 第十二回伝統工芸木竹展にて花籠「こもれび」東京都教育委員会賞受賞
平成二八年
- 米国サンタフェTAIMODERNにて個展
平成二九年
- 第五二回西部伝統工芸展にて透網代花籠「空山」朝日新聞社大賞受賞(同工芸展にて他入賞二回)
- 第六四回日本伝統工芸展にて透網代花籠「清閑」朝日新聞社賞受賞
令和四年
- 第六九回日本伝統工芸展にて透網代花籠「朝露」日本工芸会総裁賞受賞(文化庁買い上げ)
令和五年
- 第七十回日本伝統工芸展にて第一次鑑査委員
令和六年
- 秋の褒章にて紫綬褒章受章