2018年3月7日-5月25日
※会期が延長致しました。
時間 / 12:00 - 20:00
スタッフ在廊時間 / 12:00 -17:00
会場 / 東京ガーデンテラス紀尾井町 紀尾井タワー2F
オフィスエントランス
〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町1-3
入場無料
主催 / 株式会社西武プロバティーズ
総合企画 / いりや画廊
1970年、金属彫刻家木戸修は石彫家を目指して東京藝術大学に入学しました。そこで出会った金属を素材とする彫刻家との出会いが、その後の木戸が金属彫刻家としての礎を築くきっかけとなりました。学内に十分な金属設備や建物もなく金属彫刻が一般的に社会に浸透していない時代にも関わらず、木戸を含めた学生達は金属を素材にして日夜制作に没頭しました。
それから40年、木戸は様々なプロジェクトの企画運営に関わりながら金属彫刻の可能性を追求し発表してきました。そして多くの芸術賞を受賞しました。それらの作品は全国の公共施設、美術館等に設置収蔵されています。また1986年より東京藝術大学彫刻科で教鞭をとり、指導者としてその技術や考え方を継承することで金属彫刻を普及させた第一人者です。
木戸は平面から立体への転換をテーマにしていた初期の時代を経て、1980年代からは回転しながら垂直方向へ上昇する曲線、「螺旋」の形を探求し始めます。螺旋が形態の基本的で重要な要素であると考えたからです。そして回転と移動というこの二つの要素を組み合わせた三次元空間での螺旋の動きを捉えるには、緻密な数式による計算が必須でした。この難題を当初、木戸は方眼紙上に計算によって出した点をつないだSIN曲線を、手書きで作図することで螺旋をテーマにした作品の数々を生み出しました。現在は自身が数年をかけて完成させたコンピュータープログラムが重要な役割を果たしています。この緻密な数式の計算による作品の数々は、自身が「数字によるデッサン」と呼ぶ独特な方法で制作されています。
回転と移動の二つの要素を組み合わせた木戸の制作する「螺旋」の多くはステンレス素材で制作されています。この素材は強度の高さや腐食に強いという理由だけではなく、作りたい形を自由に作るのに適した素材であると語ります。木戸にとって作りたい形とは単に数学の計算による作品ということではなく、作品が置かれる空間と作品との関係性を意識することとその存在を空間の中で確認する作業も備えているように思えます。その為にはステンレスが一番適していたといえるでしょう。
今展覧会で展示している“SPIRAL.3-TUKI”や“SPIRAL KUU”等の作品名でも記されている「TUKI」や「KUU」は形と空間の関係性を表現しており、螺旋の方向や回転そして太さなどが違う作品の各々が、空間に存在する姿を想像されながら制作されています。そしてその関係性ゆえにステンレスが映し出す周りの風景や空間が、金属彫刻家木戸修の作品のスケールを一層大きなものにしています。
木戸修略歴
1976東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻を修了。
1986東京藝術大学美術学部彫刻科専任講師となる。
1992文部省在外研究員としてイタリアに滞在。
1994東京藝術大学美術学部助教授となる。
2005東京藝術大学美術学部教授となる。(~2018年3月退任)
主な作品設置
王子製紙ホール(東京)、シーガイア国際会議場(宮崎)、広島クレド(広島)、稲城市体育館(東京) 大田区文化センター(東京)、国分市役所(鹿児島)、八王子HPビル(東京)、JR東日本本社ビル(東京) 桐生市文化会館(群馬)、横浜国際水泳場(横浜)群馬県警察(高崎)石川県立音楽堂(石川)、吉川市月の公園(埼玉)、ホテルメトロポリタン丸の内(東京)広尾ガーデンフォレスト(東京)ザ・レジデンス宇都宮(栃木)、駁二藝術特区鉄鋼彫刻シンポジウム(台湾)、丸の内ストリートギャラリー(東京)、甲府法務総合庁舎(山梨)、農林中金品川研修センター(東京)アートビレッジ大崎(東京)キャピタルゲートプレイスザ・タワー(東京)他
WEB http://www.kido-osamu.com/index.html
In 1970, Osamu Kido entered Tokyo University of the Arts aiming to become a stone sculptor. Although, there was the opportunity he encountered to meet the metal instructor he inspired there let him to decide to become a metal sculptor, even if the metal sculpture was not popularized among artists and in the society as well at that time. There was not enough equipments and workspaces available for the students even in the highest rank of art school in Japan he entered. Despite of working in such inconveniences, Kido has been trying so hard working on metal since then.
After forty years, Kido engaged with several art projects to explore the diverse possibilities of metal arts. Consequently he received several art prizes and his art works are exhibited many museums and public facilities all over Japan. Furthermore, since 1986, he has been directing many young artists to succeed metal sculpture technically and conceptually at his alma mater as the leading metal artist in Japan.
In the early his career, Kido’s theme was the shape of convertibility from two dimensions to three dimensions. Then, in the early 1980s, he started searching the shape of “SPIRAL” which is the curved line moving in a vertical direction, because he thought it was the important element basically for his ideal formation.
At the beginning when there was no computer, he invented the mathematical formula to draw the SIM curve on the graph paper. He calls such process as “ the mathematical drawing” to direct the formation as he desired in three dimensional space. Now, the computer program he invented later is taking place instead of hand drawings.
Kido’s “SPIRAL”, the combined formation of curving and moving, are mostly made by stainless steel. The characteristics of high intensity and anti corrosion of the material are not only the reasons he prefers, but also stainless itself is suite for his concept. Because, the “SPIRAL” is produced not only to justify the mathematical formula, but also to confirm the relations between sculptures and surrounding space distinctively.
Referring to the work titles such as “SPIRAL.3 - TUKI (moon)” and ”SPIRAL KUU (sky)” exhibiting this time, those are the proof telling the relationship between surrounding space and his works. The directions of complex curves are imagined to produce moving vertically reflecting surrounding environment. Consequently the bigger than ever, the significance of existence of his works is ideally confirmed uniting with the space around them.
東京カーデンテラス紀尾井町
Tokyo Garden Terrace Kioicyo
〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町1−2 他
TEL: 03-3288-5500
東京メトロ「永田町駅」 9a出口直結
半蔵門線ご利用の方:
渋谷方面で降車:紀尾井町口(改札)から7番出口へ
押上方面で降車:平河町口(改札)から5番出口方面 ⇒ 都道府県会館地下通路(※) ⇒ 9a出口方面へ
有楽町線をご利用の方:
和光市方面で降車:平河町口(改札)から5番出口方面 ⇒ 都道府県会館地下通路(※) ⇒ 9a出口方面へ
南北線をご利用の方:
赤羽岩淵方面で降車:諏訪坂口(改札)から9a出口方面へ
※都道府県会館地下通路の通行可能時間は、6:00~23:00 となります。
東京メトロ「赤坂見附駅」 徒歩1分
銀座線・丸の内線をご利用の方:
赤坂口(改札)からB・C・D出口方面 ⇒ 赤坂地下歩道 ⇒ D出口方面へ