小日向千秋 個展 Composition
2026年11月9日(月)〜11月21日(土)
11時30分〜19時00分[日曜休廊]
土曜 17時30分まで | 最終日 16時まで

小日向千秋氏は、漆を素材とした作品を制作している。漆との出会いは仕事として仏像修復に携わり技法や知識を学ぶことで、素材としての漆に魅了されたと語る。当初は脱活乾漆による制作を主としていたが、その後は鉄線を芯とする独自の乾漆技法を多く用いている。この方法は、天平期の乾漆像の指先に使用されている芯に鉄線が用いられていることがヒントとなった。
仏像彫刻の恩師が好きだった言葉「心無罣礙」は般若心経の一節で、心に何も拘りのない自由な状態を意味しているという。何事にもとらわれない自由な心が直接手を媒体として素材に繋がるように心がけている氏にとっても、近年、「心無罣礙」は制作の根源となっている。言葉や既成物では表現することのできない、「思い」であるとか「心のゆらぎ」など、言葉にならないものを形にしている。常に自分は何を作っているのかと自問をしながらも、具体的な答えは出ない。しかし、それらが何らかの形に到達した時に、初めて氏の作りたかったものが「これ」だと気づくという。
通常、特にテーマを定めて制作を開始することはない氏だが、筑波山中での制作を続ける中、今回は展覧会の構成要素の一つに「山」を選んだ。しかし、制作を進めるうちに「山」は「谷」へと姿を変えた。その真逆とも言うべき変化は自身や作品見つめ直した結果であり、心を自由に解き放つことができた瞬間に起きたと事だと氏は言う。
また、今回は壁面のレリーフ作品も複数制作しており、色彩を用いることにも挑戦している。これらの試みによって、氏にとっての具体的な形、おそらく制作を通じて問い続けた作品に対する答えに一歩ずつ近づいているのではないだろうか。その問いこそが今回の展覧会で発表する作品に見ることができる、ある風景だったのかもしれない
1968年 東京都生まれ
1994年
東京芸術大学大学院美術研究科デザイン専攻修士課程修了
2001年~2003年
文化庁派遣芸術家在外研修員としてフィンランドにて研修
ゲストアーティスト University of Art and Design Helsinki UIAH
(現アアルト大学)・Academy of Fine Arts Finland
[個展]
1996年
ギャラリーこちゅうきょ(東京)
1997年
ギャラリー椿(東京)
1999年
「語られなかった瑣末な意思のかたち」プラスマイナスギャラリー(東京)
2002年
「Firing Fires Framing Flames」トゥースラ湖畔(フィンランド)
2003年
「Järvistä Järville」Gallery Atsuki・Aulagalleria(フィンランド)
2004年
「Composition Blue and White」藍画廊(東京)
2005年
「Land/Earth」藍画廊(東京)
2007年
「Growth/BLACK」藍画廊(東京)
2008年
「Mutate」藍画廊(東京)
2010年
「小日向千秋展-鉄心乾漆による-」メタルアートミュージアム 光の谷
[展覧会]
1997年
「博士展」東京芸術大学芸術資料館陳列間(東京)
2004年
「Landscape Now」Mikkeli City Art Museum(ミッケリ市・フィンランド)
2005年
つくば美術展「あるく座標」(茨城)
2006年
「雨引の里と彫刻 2006」(茨城) 以降['08、'11、'13、'15年に出品]
「越後妻有アートトリエンナーレ」(新潟)
2008年
「YEAR END EXHIBITION of MINI・SCULPTURES 2008」ギャラリー せいほう
以降毎年出品
他、多数
その他コレクション、コミッションワーク等多数

